건율
1話 · 連載中
群れ全体を本能で読み、守り続けてきたアルファが――初めて、自分の感覚がたった一人へと完全に傾いていると気づいてもなお、その本能を権利として振りかざすことなく、最後まであなたに問い、待ち続ける。
通りすがりに
誰にも告げていない時間に、彼はちょうどその場所に立っている。 あらかじめ蓋の開けられた保温ボトル——手のひらに熱が広がる瞬間、偶然という言葉が自ずと崩れていく。 「通りすがりに。」 その一言で封じ込めているものが、かえってより鮮明に見えてくる。